不吉な知らせ

夕食を済ませテレビの前でくつろいでいると突然スマホが鳴った。

親戚から”父危篤”との知らせ。

病院に駆けつけた時は虫の息。小さな面接室に呼ばれ、当直の医師から「肺炎で大変危険な状態」との説明を受ける。それから1週間ほどはICUで生死を彷徨った。回復し意識を取り戻すも、話しがまったく通じないし字も書けない。幻覚を見たり失禁したりで、もう今までの様に独り暮らしは出来ない状態であった。

そして退院も近くなった頃、担当のM医師から直接私のスマホに連絡が入った。容体急変か?と思いきや、「お父さんを引き取って欲しい」との電話。最近の医師は家庭の事情を鑑みて、そんなことまでするんかいな?とこの時は感心もしたが、このM医師、退院前の認知症検査で間違いを連発するジィに「オマケオマケ」と言いながら、「認知機能に全く問題ないです」と言い切った。

なわけねーだろ・・・

老人への憐れみなのか優しさなのか知りませぬが、認知機能に全く問題ないということは車の運転も出来るということだ。いやこんな状態で車なんか運転されたら間違いなく何人か葬ることになりますがいいですか??と言いたくなったが、熱い志を持つ若いドクターに言うのも酷だ。それに命を救ってくれたことに変わりはない。感謝。丁重に礼だけ言って診察室を後にした。